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東京文化会館についてAbout

東京文化会館の取り組み

あらゆる人が音楽で交流できる社会をめざして
Workshop Workshop! コンビビアル・プロジェクト

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東京文化会館は、人生100年時代を誰もが心豊かに暮らせる共生社会の実現に向けて、人々が音楽や芸術を通じて、喜びや生きがいを共有できる機会を提案します。

「コンビビアル」とは、20世紀の哲学者イリイチが提唱した自立共生に関する概念で「共愉」などと訳されます。年齢、性別、地位、地域、人種、障害など様々な枠を超えて自立的で創造的な関わりを持てる状態や環境を意味します。東京文化会館では、あらゆる人々が喜びや生きがいを共有できるコンビビアルな状況の創出を目指します。

東京文化会館では、2017年より、アートによる多元的共生社会の実現を目指し、障害特性や年齢、社会的背景にかかわらず多様な人々が分け隔てなく音楽やアート活動に参加し、共に楽しめることを目的に、「コンビビアル・プロジェクト」を実施しています。

世代・障害を越えて楽しめる「リラックス・パフォーマンス」、特別支援学校や社会福祉団体でのワークショップやコンサート、手話付きや英語版ワークショップの実施、国内外の先駆的事例から学ぶ講座事業などにも取り組んでいます。また、自治体や大学、NPO法人など多様な団体と連携し、交流や議論の場の拡充も行っています。

アートが持つ「創造性」「協調性」「参加性」を活かし、社会的課題に向き合いながら、人々の生活の質(QOL)の向上や共生社会実現に寄与したいと考え、多様な人々が新たな芸術・文化創造の場に主体的に関わることができる環境の整備をこれからも目指します。

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社会包摂につながるアート活動のためのガイドブック

東京文化会館では音楽やダンスなどのパフォーミングアーツに焦点をあてながら社会包摂につながるアート活動を実践する上で、理解しておきたい事柄を整理するために「社会包摂につながるアート活動のためのガイドブック」を作成しました。とりわけ、「社会包摂につながるアート活動のためのレクチャー&トレーニング」で語られた言葉を編纂し、また言葉では語られなかった実践知、すなわち実践者たちの眼差しや自身の哲学(活動で大切にしていること)を言語化することで、公立文化施設が社会包摂を意識したアート活動に取り組む際の在り方を検討し、価値や意義を見直すこと目指しています。

緑の葉の上に、グレーの表紙に白い紐結びのようなデザインが施された「社会包摂につながるアート活動のためのガイドブック」3冊。
円になって太鼓を囲み、笑顔で叩いて楽しむ子供たちと、それを見守る人。
カラフルな衣装を身につけたパフォーマーが、車椅子に横たわる参加者に話しかけ、交流している様子。

東京文化会館 リラックス・パフォーマンス

「リラックス・パフォーマンス」とは、通常の公演と異なり、完全な静寂でなくても鑑賞を楽しめる環境の公演です。クラシック音楽のコンサートが初めての方も、発達障害や自閉症などでホールでの音楽鑑賞に不安がある方も、みんなで一緒に音楽を楽しめる公演です。きこえない方、きこえにくい方、みえない方、みえにくさのある方のための鑑賞サポートも実施します。

  • 補助犬同伴で入場できます。
  • 客席の照明を完全に暗くしません。
  • 上演中に休憩が必要になった場合は、客席の外に出て休憩できます。途中で席に戻ることもできます。
  • 自席に戻りづらい場合や、一時的に席を移動したい場合等にお座りいただけるフリーエリアが客席にあります。
  • 公演の約2~3週間前に、プログラム(読み上げ対応あり)やご家族・介助者のためのご来場ガイドをウェブサイトに公開します。
  • 気持ちを落ち着けたい方のためのカームダウンスペースがあります。
  • 受付に手話通訳者がいます。
  • 舞台上にろうナビゲーターがいます。手話で公演をご案内します。
  • 車椅子席があります。
  • 視覚支援ツール、聴覚支援ツール、その他、各種鑑賞サポートツールを用意しています。数に限りがある場合や予約が必要なツールもございます。※東京文化会館は誰もがいつでも、使いやすく、楽しめる音楽ホール(劇場)をめざしています。(アクセシビリティ情報はこちら)
  • 4歳から入場可能です。

過去の公演映像をアーカイブ配信しています。いつでもお好きな場所から「東京文化会館 リラックス・パフォーマンス」をオンラインでご鑑賞ください。

オーケストラをバックに、ステージ中央でドレスを着た3人の女性がパフォーマンスをしている様子。
ドレス姿の女性たちによる演奏が行われているステージの様子。
「フリーエリア」の座席についての案内看板、鑑賞サポートツール貸し出し・紹介ブース、指さしボード・タブレットによる案内・カームダウンペースを紹介する、4枚の写真を組み合わせた画像。

高齢者施設や社会福祉団体における音楽ワークショップ

東京文化会館では、2016年度より、アートを通じて多様な人々が共に生きる社会の実現に向けて、高齢者施設や社会福祉団体、各専門機関と連携しながら、都内で音楽ワークショップを実施しています。多世代交流の創出を目的とする社会福祉協議会との連携では0歳から80代まで、障害特性のある方など、様々な人が音楽で交流をしました。重度知的障害・肢体障害のNPO法人との連携ではご自身の身体の動かし方に合わせながら音楽を奏でていただいたり、また、高齢者施設との連携では、施設に住んでいる方・デイサービスの方・認知症の方々と一緒に、懐かしい歌や外国の民謡を歌ったりしました。対象者や連携施設・団体と相談しながらワークショップを実施しています。

大きな窓から緑が見える部屋で、ピアノと打楽器を演奏する2人の女性と、手振りをして楽しむ参加者の様子。
窓の大きな明るい室内で、白いグランドピアノを弾く男性と、ホワイトボードの横で楽器を演奏する女性、そしてそれを鑑賞する人々の様子。
サンタ帽をかぶった観客席の人々が、ステージ上の2人の女性パフォーマーに合わせて手を挙げている、イベントの様子。

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東京文化会館 高齢者向け音楽ワークショップ
※映像には、音楽ワークショップで実際に高齢者の方が創作した音源を使用しております。

社会包摂につながるアート活動のためのレクチャー&トレーニング

近年、障害者芸術に関する法整備が進むなど、アートが持つ包摂性に着目した活動への関心や需要が高まっています。その一方で、多くの実践現場では「社会包摂につながるアート活動」にどのように向き合うべきなのか、どのようにしたらより質の高い内容が実施できるのか、今なお模索しています。
そこで、東京文化会館では音楽やダンスなどのパフォーミングアーツに焦点をあてながら「社会包摂につながるアート活動」を実践する上で、理解しておきたい事柄を整理するためのレクチャーや、音楽家を対象にしたプロフェッショナル・トレーニングを実施しています。より質の高い社会包摂的なアート活動の展開を目指し、先駆的実践を行うアーティストや専門家から知識、ノウハウ、様々な事例、そして実践に基づいた理論を学びます。

レクチャー&ディスカッション、フォーラムなど

トレーニング、ワークショップなど

また、東京文化会館では専門人材の育成や豊かな実践の展開を促進するため、文化芸術活動が人々のウェルビーイングや生活の質(QOL)の向上、共生社会実現に向けて果たしうる役割や効果、またこの領域における現状について調査研究にも取り組んでいます。平成31(2019)年度には、東京文化会館を中心にしたフィールドワーク、専門機関や実践者へのインタビュー等の調査分析を九州大学(九州大学大学院芸術工学研究院准教授 中村美亜氏)に委託しました。本調査により、①経験談としてしか語られてこなかったワークショップの意義やワークショップ・リーダーの役割が言語化され、②東京文化会館のワークショップ・リーダー育成事業がもつ意義や課題が明らかになりました。

音楽スタジオのような場所で、コントラバスやアコーディオンなど様々な楽器を持った人々が円になって座り、講師の説明を聞いている様子。
ピッコロ演劇学校に関するスライドを背に、ノートパソコンを前にして話をする女性講師と、それを横で見守る男性の様子。
明るい練習室で、サックスや太鼓を演奏する人と、床に座ってそれを見つめる参加者たちが大きな円を作っている様子。
練習室で、参加者たちが円になって立っている様子。
ピアノの前に座る女性講師が、観客に向かって満面の笑みで拍手や身振りを交えて話している様子。
大きなスクリーンに映し出された資料を使いながら、3名の大人が登壇して行われているシンポジウムやセミナーの会場風景。

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高齢者向け音楽ワークショップの検証

平成30(2018)年度 高齢者向け音楽ワークショップの検証(公開報告会)

平成30年度の検証では、2018年12月から2019年2月にかけて都内2施設において全10回の高齢者向け音楽ワークショップを実施し、それに基づく検証を行いました。検証には、高齢者心理学等を専門とする研究者、日下菜穂子氏(同志社女子大学教授)と連携し、その活動内容を①高齢者の音楽ワークショップ活動を介したコミュニケーション、②高齢者が主体となる音楽ワークショップのプログラムデザインに関わる視点から検証を行い、新しい知見の導出を図るとともに、今後のプログラム開発に関わる示唆を得ることを目的としました。検証により、即興的音楽ワークショップが高齢者に個の尊厳を与え、多様な共存を可能にする創造的な手法であることが示されました。

平成31(2019)年度 高齢者向け音楽ワークショップの検証(公開報告会)

平成31(2019)年度はアクティブ・シニアを対象にしたプログラムづくりの具体的な手法や東京文化会館ミュージック・ワークショップ「Shall we シング?」(対象:50歳以上)の独自性を、高齢者心理学専門の日下菜穂子氏(同志社女子大学教授)と検討しました。2019年11月に都内施設で「Shall we シング?」と聞き取り調査を2回実施し、①音楽と共に動くワークショップの効果の測定、②アクティブ・シニアを対象とした音楽ワークショップのプログラムづくり(例:文化活動に関わる習慣がない方が、参加したくなる仕組みづくり)、③高齢者が主体となる音楽ワークショップの社会的意義に関わる検証を行いました。検証の結果、適切な目的が設定された構造型ワークショップは参加者の自己実現を可能し、参加意識や動機付けを高め、次への参加意欲へと発展することが明らかになりました。

令和2(2020)年度 高齢者向け音楽ワークショップの検証(公開報告会)

令和2(2020)年度は平成31年の検証結果(エビデンス)に基づき、高齢者向けワークショップ「Shall we シング?」の改訂に取り組みました。2020年6月~9月にオンラインによる検討会3回と改訂版ワークショップの試演(デモ)、そして試演に基づく再検討会1回を行い、高齢者心理学等を専門とする研究者、日下菜穂子氏と、東京文化会館ワークショップ・リーダーたちが対話を重ねました。「Shall we シング?」のプログラムデザインを整理・改訂しながら、高齢者の生きがい創出や社会参加を促進し、文化活動へ主体的に参加する意欲を触発する音楽ワークショップの開発検討を行いました。

令和4(2022)年度は、コロナ禍で深刻化した高齢者のフレイル問題や孤立を緩和することも念頭に、令和2(2020)年度に改訂した東京文化会館ミュージック・ワークショップ「Shall we シング?」のプログラムデザインについて、さらに掘り下げました。フレイル問題の緩和には主体的に活動する意欲や社会参加しようという欲求が不可欠です。また、孤立化の緩和には、他者との<ゆるやかなつながり>を感じられる環境や場が役立ちます。対面ワークショップに加え、無料通信アプリLINEや参加者向けの動画配信などいくつかのツールを組み合わせることで<個のウェルビーイング>を担保しつつ、ゆるやかなつながりを感じられる方法を模索しました。

手元のハンドベルを鳴らす高齢女性の視点から見た、他の参加者たちが楽器を演奏しているイベント会場の光景。
高齢者たちが演奏者を囲み、タンバリンなどの楽器を手に持って一緒に演奏を楽しんでいる様子。
電子キーボードの鍵盤に指を置き、真剣な表情で演奏を試みる高齢男性の横顔。

東京文化会館60周年オンラインフォーラム

東京文化会館60周年オンラインフォーラム「より開かれた文化施設を目指して―地域、多様性、コロナ禍」

2020年2月にはじまったコロナウイルス感染症の世界的蔓延は、私たちの生活様式や価値観に様々な変化をもたらしました。多くの劇場や芸術団体は、活動停止に追いやられ、これまでの創作活動や鑑賞形態をも変容させなければなりませんでした。このコロナ禍で我々文化施設や芸術団体は何を学び、何を得たのでしょうか。
このオンラインフォーラムでは、欧州の事例を中心に、コロナ禍が文化施設や芸術団体に与えた影響を概観しながら、なぜ文化芸術が誰もがアクセスでき、文化施設や芸術団体が開かれた存在であり続けなければならないのか、各国の芸術団体とともに問い直しました。

テクノロジー×音楽「ヒカリズム~音と光で描くリズムの世界」

東京文化会館ミュージック・ワークショップ「ヒカリズム~音と光で描くリズムの世界」

2021年6~9月にかけて、東京文化会館ワークショップ・リーダー5名が、楽器インタフェース研究者の金箱淳一氏と共同し、テクノロジーと音楽を融合させたワークショップ開発に取り組みました。そして、9月にワークショップを実施しました。
金箱氏は障害がある人もない人も誰もが一緒に楽しめるインスタレーションやデバイスの開発者で、「共遊楽器」を提唱しています。今回のワークショップでは、金箱氏らによるインスタレーション「ratatap」を取り上げ、耳の聴こえ方に関わらず、音の振動に反応して出現する「オトダマくん」を通じて、自分だけではなく、人が発した音も一緒に見ながら、みんなで奏でることの楽しみや喜びを共に味わえるワークショップを目指しました。
聴覚障害のある参加者からは「これまで、音楽でコミュニケーションを取るというのがよくわからなかったけれど、今日のワークショップに参加して、その意味が初めてわかった気がした」という感想が寄せられました。

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