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お知らせNews

「note to a friend」ニューヨーク公演レビュー

2023年02月04日 (土)

オペラ・ワイヤー(OperaWire)
https://operawire.com/prototype-festival-2023-review-note-to-a-friend/
「このオペラには不気味なまでのリアリティが感じられ、芥川の作品のほとんどがその核に内包するちょっとしたユーモアも取り入れられていた。総体的に、天才芥川とデヴィッド・ラングの感覚的でありながら、知的な探求心が一体となった作品である。」
「ラングのポストミニマル音楽が、ヴォーカルのセオ・ブレックマン、奏者の小川響子(第1ヴァイオリン)、関朋岳(第2ヴァイオリン)、田原綾子(ヴィオラ)、上村文乃(チェロ)と言ったパフォーマーをバランスよくまとめ、一連の音楽の中で台本と共に大変豊かで美しい世界観を創り出しており、これは最も注目に値することであった。実際のところ、このオペラの全ての瞬間が、音楽と常につながりを持ち、全ての音符が心をしめつけ、思慮に満ち、魂に響くものであった。」
「今回、演出家、笈田ヨシのラングの音楽に対する理解もまた天才的であった。彼はブレックマンの流れるような声と身体的な動きが持つ美的感性を通して、遠い昔から存在した生と死の間の障壁をも超えたのである。」
「音楽家を含めて、この作品の出演者全ての貴重な存在そのものを讃える力がこのオペラにはあり、“note to a friend”を特別で、紛れもなく注目に値するものとした。それはまるで最も輝いている魂が親しく集っているかのように感じさせる。」
「“note to a friend”は、あらゆる面で心に長く残る作品だ。人間であることの意味と内省の美を最もユニークな形で反映させるオペラ、これらが核となり、響き合うのだ。」

101 Operas
https://101operas.com/2023/01/13/note-to-a-friend/
「これは動きを通して誰でも演じることができるような役ではなく、蓄積である。彼は重々しさや厳しさをもたらし、そのテノールの声は私の中に入り込んでくる。ブレックマン氏の一切の妥協を許さぬ役作りに、私は絶対の信頼を寄せている。」
「この深く人の心を動かすオペラは、存在することの苦しみ、さらにはその延長線上の自殺ほう助を取り巻く倫理的、および法的な会話を扱っている。しかし、これこそがこのオペラのポイントであり、自殺を取り巻く批判や軽蔑的で言い古された意見をあえて述べることで、その死を超えて他者の人力により一層の敬意をはらった会話を呼び起こさんとしているのである。」

Classical Voice North America
https://classicalvoiceamerica.org/2023/01/20/the-delicacy-of-suicide-as-lyric-reflection-in-langs-note-to-a-friend/
「ブレックマンの温かく、率直で、終わりがないようなレガートを前にして聴衆はすぐさま鎧を外し、彼の内なる旅路に誘われ、それを堪能することとなる。キャバレーでの経験で培われた、彼ならではの包み込むような語り口だ。。。ブレックマンによる“死んだ男”は、人を惹きつけるほど魅力的で、彼が生きている人々の中に留まるかもしれないという希望を抱かせる。しかし彼は常に別世界の距離を保ち、彼が今どこにいるのかをこちらに再認識させるのだ。」
「弦楽四重奏のために書かれたラングの音楽は、東京文化会館の若き奏者たちによって生気を吹き込まれ、彼の舞台設定の特徴でもある繊細さがセリフをより説得力のあるものにしている。弦楽器による演奏はすぐさま豊かな緊張感をもたらし、その後、孤独で讃美歌のような世界へと溶け込んでいく。」
「ニューヨーク公演を経て、この“note to a friend”は東京で上演される。この作品が世界の他の地をどのように刺激するのか、興味は尽きない。」

The Theatre Times
https://thetheatretimes.com/note-to-a-friend-at-prototype-2023-festival/
「弦楽四重奏で構成されるラングの音楽は、時には不安を掻き立てる空気のようである。」
「一度聞いたら忘れられないほど美しいラングの音楽言語は、笈田の刺激的ともいえる舞台演出と共に非常に難しいテーマに取り組んだ。今日、聴衆は新たなる体験をすることとなっただろう。」

Berkshire Fine Arts
https://www.berkshirefinearts.com/01-18-2023_david-lang-at-the-prototype-festival.htm
「…ブレックマンは人を魅了してやまないパフォーマーだ。」
「ラングは彼ならではの謙虚さをもって未来への大胆な一歩を踏み出した。」

Interludes
http://www.adriandimanlig.com/viewpoint-prototype-2023-continues-to-be-a-fertile-incubator-for-the-development-of-important-new-works-of-music-theater/
「今年のフェスティバルを締めくくったのは、ピューリッツァー賞を受賞したデヴィッド・ラングのオペラ作品『note to a friend』(強く推奨)(フィスティバルではこの他にも幻想的なアニメーションオペラUndineも無料で視聴者にストリーミング公開された)で、ジャパン・ソサエティーで上演された。日本の作家、芥川龍之介の3作品をもとに再構築されたこの作品は、自殺行為に対する明確な視点、激しいまでの共感が示されている。日本人によって優雅かつ繊細な品格をもって演奏された完成度の高いラングの音楽は、無駄をそぎ落とした旋律と清澄な感情のなせる奇跡であった。演出はピーター・ブルックに長く学んだ笈田ヨシであり、伝説的な英国の演出家のトレードマークである簡素な厳格さと思慮深い芸術性をもった演出であった。生きている友人への手紙を通して現れる印象深い亡霊を演じたのはセオ・ブレックマンであった。彼はニューヨークを拠点として活躍するヴォーカリストで、深遠な英知と空気のような落ち着きを聴く側に呼び起こした。」

I Care If You Listen
https://icareifyoulisten.com/2023/01/prototype-2023-probes-dark-corners-humanity-imagines-world-beyond-civilization/
「アメリカと日本の感性の出会いが、本当にユニークな、西洋音楽である室内オペラを生み出した。それは歌舞伎と西洋社会では珍しい自殺に対する概念に影響を受けたものであった。。。。ラングによる音楽は、ミニマリスティックな繰り返しと作品を通して語られるナレーションのバランスが絶妙であった。また、時折オーケストラのようなうねりを感じさせる半透明の弦楽四重奏による音楽は、セオ・ブレックマンの美しく清純な歌唱をシュプレヒシュティメ(*歌と語りの中間に位置する歌唱法)とバロック様式の間であたかも陽炎のように輝く光を与えていた。

Musical America
https://www.musicalamerica.com/
「プロローグはヴィンテージ・ラングとも言えるもので、表面的には親しみを感じさせながら、ディティールにおいて驚きをもたらし、典型的なオスティナートとなってしまう危険性をはらみながら決してそのようにならない音程で展開される。」
「ブレックマンの無色でビブラートを帯びた低い声は年齢とともにより深みを増している。彼の演じるキャラクターが生きる必要性に打ち勝ったことを非常に効果的に表現するフォルテッシモまで、彼が得意とするおなじみのメゾピアノが維持される。また、主人公の最後の言葉「gone(消えた)」の扱い方もとても印象的であった。それはゆっくりと消えていき、前半で描かれたゆっくりと消えていく炎の写し鏡のようであった。」

>>公演情報