音脈 Vol.64|東京文化会館公演情報 2016年10月~12月
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7音脈2016 AUTUMN特集・出演者インタビューMusic Festival TOKYO©青柳聡国立西洋美術館芸術の秋、音楽さんぽ 恩賜上野動物園 旧吉田屋酒店江戸東京たてもの園 子宝湯 “Jazz meets Classic” 「カッパのバッジ」を覚えておられるだろうか?毎年10月1日の「都民の日」(1952年制定)を記念し、隅田川に多くいたとされるカッパの漫画(初代が清水崑、2代目が小島功の原画だった)をデザインしたバッジが1959年から97年まで販売されていた。昭和30〜40年代に「東京の子供」だった筆者も毎年これをつけ、「都民の日」にだけ無料で開放される博物館や動物園、文化施設に出かけた記憶がある。 だが首都復興の象徴として、61年に華々しくオープンした東京文化会館だけは大人の社交の場だったから子供には少々、敷居が高かった。同館が子供から大人まで一貫した芸術の殿堂に変身したのは20世紀から21世紀への変わり目、作曲家で芸術院会員だった三善晃館長の在任期間(1996〜2004)である。その後任にレコード会社の社長も経験した大賀典雄館長が就き、同時に新設した音楽監督ポストにジャンルを越えて活躍する指揮者の大友直人が選ばれると、今度はジャズ、ポピュラーなどクラシック以外の音楽にも門戸が大きく開かれ、主催公演は一段と多彩になった。 敷居は低く、間口は広く、されど理想は高く、奥行きは深く……。アート&エンターテインメントにかかわる全ての主催者、プロデューサー、出演者が絶えず意識しなければならない条件のマトリックス(四角形)を実現する場という視点に立つと、多目的ホールほど素敵な器はない。三善→大賀・大友と受け継がれてきた全世代&多ジャンル網羅の路線は現在の日枝久館長、小林研一郎音楽監督に引き継がれ、さらなる進化を遂げ続けている。今年も東京文化会館では「都民の日」をはさんだ9月21日から11月5日までの約1ヶ月半、「Music Festival TOKYO」を主催する。これに先立つ7月17日には、向かい側の国立西洋美術館が「ル・コルビュジエの建築作品」の一つとしてユネスコの世界文化遺産に登録された。東京文化会館を手がけた前川國男はコルビュジエの弟子であり、師の作品との調和を念頭に設計したので、建築の価値も一段と増す中での開催といえる。 フェスティバルは大きく、コンサートとワークショップ、2つのパートで構成される。 両者横断の出演者として、今年の「顔」を担うのは小曽根真である。元はバークリー音楽院出身のジャズピアノのスターだが、近年は各地の交響楽団と共演し、モーツァルトなどの古典にも芸域を広げている。初日の9月21日に小ホールでワークショップ「自分で見つける音楽Vol.4」の講師を務めるのを皮切りに、「都民の日」と翌10月2日にはキューバの強烈なジャズピアニスト、ゴンサロ・ルバルカバの助太刀?を得たコンサート「“Jazzmeets Classic”with 東京都交響楽団」に臨む。前半は新進気鋭の指揮者、角田鋼亮と都響の打楽器奏者2人(安藤芳広、小林巨明)を交えたバルトーク。後半はピアニスト2人だけのジャズのガチンコ勝負だが、バルトークがピアノの打楽器性をとことん究めた作曲家だった史実に照らせば、非常に一貫性のあるプログラムだ。 ルバルカバは10月6日、小ホールの連続企画「プラチ文/池田卓夫(音楽ジャーナリスト)多目的ホールの「王道」を行く充実のラインナップ〜親しみやすさと多彩さ、質を兼備〜芸術の秋を牽引する東京文化会館「Music Festival TOKYO」Music Festival TOKYO

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