音脈 Vol.57|東京文化会館公演情報 2015年1月~3月
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音脈2015 WINTER2文化会館の思い出監督:文化会館で特に印象に残っている思い出が2つあります。学生時代、4日間徹夜してやっと買えたイタリアオペラ『アンドレア・シェニエ』で、マリオ・デル・モナコの声の美しさに大感動。夜も昼もその音が頭の中で鳴り渡る始末でした。あの美声の10分の1位でも自分に出せないものかと訓練を始め、何年かすると響く声が出せるようになって来たのです。それが今、指揮者として最大の武器になっています。一般的に、リハーサルでオーケストラは演奏を止められるのを嫌います。テンションを持続しにくいからです。ある時、最強奏の時ですが、僕の声が届いた。それは、オーケストラが最高の緊張感の中で、演奏できたことを意味します。2つ目の思い出は、カラヤンとベルリンフィルのリハーサル。一般公開などあり得ません。そこで、文化会館に忍び込み、リハーサルが始まると幕の隙間から凝視しました。カラヤンは高い椅子の上で腕を組み、全く指揮をせずベルリンフィルの演奏を聴いている。時折オケを止め何かの指示をする。そして再び腕組み。指揮者はいつも振っているという観念の中にいた僕にとって不思議な幽玄の世界でした。それもまた東京文化会館のお陰です。館長:どうですか、リハーサルだけを見ていただくというのは。監督:素敵なアイディアだと思います。音楽が変わる瞬間を子どもたちに判ってもらうだけでも、文化会館の大きな役割を果たすことになると思います。しかし、オーケストラはリハーサルを公開することで集中力を欠いてしまうこともあるので、どうでしょうか。大晦日のベートーヴェン館長:大晦日にベートーヴェンの全交響曲を指揮されますよね。体力的にもよくやれるなと思っているんです(笑)。監督:あれは文化会館の特殊な出し物になりましたね。館長:もうこれ、やめられないですよ(笑)。監督:最初は逃げ回ってたんですけど(笑)、不思議なもので、1番、2番と霊感に満たされて、次に英雄(3番)と、徐々にベートーヴェンの心が、深く、僕の魂を動かしてくれるので、操られてというか、興奮の極みで先へ行けるという、特殊な体験ですね、あれは。響の森ニューイヤーコンサート監督:来年のニューイヤーコンサートは、ドヴォルザークの交響曲「新世界」が中心です。館長:強烈な思い出がありましてね。アメリカに初めて行ったときに機上から西海岸を見ながらテープで聴いていて、これがドヴォルザークの新世界かって、もう感動っていったらなかったですね。監督:最高ですね。館長:お正月にコバケンのニューイヤーで始まって、年末はコバケンのベートーヴェンで締めると。すごいカッコいいし、いいことだと思います。オリンピック文化プログラム館長:1964年のオリンピックは日本を変えた。2020年は世界を東京文化会館リニューアルオープンに寄せて東京文化会館館長日枝 久東京文化会館音楽監督小林研一郎日枝 久Hisashi Hiedatopic 01

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