音脈 Vol.56|東京文化会館公演情報 2014年10月~12月
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7音脈2014 AUTUMN特集・出演者インタビューださるかどうか、皆目わからなかったのです。都さんの場合は、本当にファンだったんです(笑)。引き受けてくださるかどうかはわからなかったのですが。麻実さんは古くからのお付き合いがありますが、長い間話すチャンスがありませんでした。轟さんは今までわりに会う機会がありました。宝塚は今年が100周年なんですね。友人の植田紳爾さんに相談したときに麻実れいさんに出てもらうということは、すぐに一致しました。麻実さんの日本舞踊に関してはわからないのですが、退団後、この浮き沈みの激しい芸能界でずっとトップでいられるというのはすばらしい。努力もあるし、彼女は出演する作品を選んでますね。とくに印象に残るのは『サド侯爵夫人』。ああいうゴージャスな雰囲気を持つ女優さんは日本に少ないんです。轟さんの場合は現役でトップ中のトップで忙しいのはわかっていたけれど、無理やり口説いちゃったんです。偶然にわたしが考えたとおりに実現したというのは、冥利につきます。石井:そういう壽輔さんの個人的なご興味が、自ずとこの企画の内容を更に大きく進展させることになったということ、感心しております。わたしの場合は本当に古典一筋だったので…石井:吉田都さんは名実ともに日本が誇るトップのバレリーナです。去年だったか一昨年だったか、五反田のゆうぽうとホールで都さんの舞台が終わり劇場から出てくる時、観客のある女性が「都さん、すごすぎる!」と叫んでいたのが今も耳に焼き付いています。ただし、ほとんど古典だけを踊ってきた都さんにとっても今回は新たな挑戦ですね。吉田:「どうしよう」と、怖い部分もあります。石井:都さんの『ボレロ』を振付けるアレッシオは、彼が日本で活動を始めたころからよく知ってます。実験的で前衛的な作品が多いのですが、ダンス・クラシックの作品もしっかり振付けられます。コンピュータで作曲もする才能豊かな人です。都さんが『ボレロ』を踊るというだけでもエキサイティングなのに、群舞はすべて日本舞踊の人たちというのも驚きです。麻実:それは素敵!花柳:群舞は36人出演します。吉田:36名の絞付袴姿の方々との舞台はとても豪華で見応えのあるものとなりそうです。石井:都さんの舞踊人生のなかでも初めてのことですよね。吉田:はい。アレッシオさんは踊りだけでなく、空間や照明の使い方も興味深いので、そちらの方も今から楽しみです。花柳:『ボレロ』の発端はやはりベジャールなんです。ベジャールの『ザ・カブキ』の時にずっと稽古に付いてまして、彼から食事をご馳走になった折「ボレロをやりたい」と言ったら、彼が「君ならやれるかもしれない」って言ったんです。それがずっと頭に残っていて。石井:その壽輔さんの想いが実現するというのが、ばりばりのベジャールダンサーではなく、吉田都さんというのが素晴らしいです。しかも36人もの日本舞踊の人たちと。都さんはこの話がきたときに、やはりすぐには「イエス」とはならなかったですか。吉田:いえ、「是非!」と思いました。でも、私にとって『ボレロ』といえばベジャールですし、畏れ多いと思っていましたが、壽輔先生が直接ベジャールさんと『ボレロ』についてお話なさっていると伺い、それならば是非チャレンジさせて頂きたいと思いました。石井:麻実れいさんは、「もと宝塚」なんてこと忘れてしまうほど、一人の女優として多方面で大活躍してますが、花柳壽輔さんとデュオを踊るなんてことは考えてもみなかったのでは?麻実:宝塚時代は日本舞踊の指導を受けていたので、よく存じてはおりました。花柳:退団後はほとんど会ってなかったですよね。麻実:月日は飛んでしまって、お目にかかるとあの時代に戻ってしまいます。宝塚で指導を受けた先生なので、すごく安心感があります。石井:これは、壽輔先生と麻実れいさん、それに衣裳を森英恵さんがなさるという豪華な組合せです。れいさんは演劇人とし舞台芸術創造事業

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