音脈 Vol.55|東京文化会館公演情報 2014年7月~9月
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山下牧子(ヘンゼル)、 清水理恵(グレーテル)インタビュー②東京文化会館オペラBOX多摩公演 ヘンゼルとグレーテル2―これまでにヘンゼル、グレーテル、それぞれの役で出演されたことはありますか?山下 初めてです。魔女じゃないんですかって、(演出の)三浦さんに言ったんです(笑)。もう魔女の域かなと思っていたら、ヘンゼルということで。清水 私もソリストとして出演するのは初めてです。大学生の時に合唱で出演しました。先輩たちの姿を見て、すごくいいオペラだな、やってみたいなとは思っていたんですけど。―一昨年の初演の映像をご覧頂きましたが、いかがでしたか?山下 子供たちが参加している感じや、会場(東京文化会館小ホール)の雰囲気がいいなと思いました。今回は(たましんRISURUホール)大ホール。言葉とかテクニックとしても、ちょっとグランデな仕様にしないと、何やっているんだみたいな感じになる。清水 照明が素晴らしくて、森の中にいるような感じでした。それと、客席を巻き込んでの演出が素晴らしかったです。山下 今回、自分が経験してきたことと、自分が素敵だなと思うことと、自分が磨いた声の表現で、「少年」ということにあまり意識を置かずにやりたいです。私のこれまで重ねさせてもらった経験から何か貢献できたらいいなと強く思いますね。清水 グレーテルはなんて素敵な役なんだろうとずっと思っていました。音楽も素晴らしい。しかし、私の身長でこの役をやることは絶対ないだろうと本当に思っていたんですよね。山下 でこぼこ兄妹。清水 だから、この役のお話を頂いたときに、身長166センチですけど大丈夫ですか、と伺ったら、中身でそれは埋めてくださいという言葉を頂いて、ありがたいチャンスだと思いました。―山下さんはオペラに多数出演されています。舞台を中心に生活してくのはどうですか。山下 舞台に関わっている時間とプライベートな時間、いいバランスで動いていけるのは、とても幸せですね。経験を重ねて見えてきたのは、私が目指す歌手像は「練習から本番までに引き算ができる人」です。リハーサルでは徹底的にやって、ふるいにかけて残ったものをステージに持っていく方をたくさん見てきました。これはステージに対する敬意のような気がして、自分もそのようになりたいなと。―清水さんは今年の1月に藤原歌劇団の「オリィ伯爵」で当館大ホールの舞台に立たれましたね。清水 リハーサルで舞台袖に立って舞台を見た瞬間に、このオペラの舞台に立つというすごさを実感して、一気にガクガクっと震えが来たんですけど、そこからは本当に楽しませて頂きました。―今回の出演者、7人中6人が東京音楽コンクールの入賞者です。山下さんは記念すべき第1回(2003年)に優勝されました。山下 この優勝は素晴らしい経験となりました。自分のプロフィールもこれだけは書いています。―優勝した後は色々変わりましたか。山下 第1回は三善晃先生(元東京文化会館館長)、畑中良輔先生、長野羊奈子先生など、3~4人の先生が第1次予選からずっと審査されていました。三善先生が、授賞式のときに「賞金は他のコンクールの半分です。しかし、この入賞を機に、皆さんの経験が広がり成長していくことが、我々は嬉しいのです。だから私たちは、あなたたちと一緒に、このコンクールと共に育っていきたいんです。どうぞよろしくお願いします」と話されました。これを聞いて、このコンクールで入賞したという喜びより、芸術家として襟を正す思いでした。1回目で1位を取らせてもらいましたが、三善先生をはじめ、大芸術家である大先輩方に1位に選んでいただいたことを自負とし、どんな公演でも全力で挑戦できるようになったと思います。―清水さんは5年前の第7回で優勝されました。清水 私もこのコンクールで歌の人生が変わりました。コンクール後、本当に多くの経験をさせて頂きました。オーケストラ音脈 Vol.55 2014.SUMMER6

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