川端康成原作 オペラ「眠れる美女~House of the Sleeping Beauties~」を日本初演!
川端康成「眠れる美女」を原作とする現代オペラ 待望の日本初演!
東京文化会館の開館55周年という記念すべき年に、2009年にベルギー王立モネ劇場で世界初演されたオペラ「眠れる美女~House of the Sleeping Beauties~」を日本初演します。
川端康成の「眠れる美女」に触発されたギー・カシアスとクリス・デフォートが台本から作り上げた現代オペラ作品を日本初演するにあたり、世界初演に参加したパトリック・ダヴァン(指揮)、オマール・エイブライム(バリトン)、伊藤郁女(ダンサー)が出演。また、俳優が受け持つ2人の役に日本人-長塚京三、原田美枝子-を起用し、「東京文化会館版」の「眠れる美女」を初演します。
2016年はベルギーと日本の国交150周年という大きな節目の年にあたります。また、『眠れる美女』単行本初版刊行から55年にあたり、2016年はこのオペラを日本初演するにまさに相応しい年となります。
オペラ「眠れる美女~House of the Sleeping Beauties~」
川端康成の中編小説『眠れる美女』を原作とし、ベルギー・ゲントの制作プロダクションLODと、Toneelhuis(ベルギー・アントワープ)、ベルギー王立モネ劇場(ブリュッセル)により共同制作され、2009年5月8日のベルギー王立モネ劇場での初演以降、欧州各都市のオペラハウスで再演を重ね、高い評価を得ています。
物語の舞台は、「すでに男ではなくなった安心できる客」が、全裸で眠る処女と、一晩ただ添寝をし悦楽を味わうという、海辺の近くにある秘密の館。友人の紹介でこの館を訪れた老人、江口由夫はここで5人の「眠れる美女」と出会い、それぞれと過ごした一夜の情景が描かれています。原作では全5章のところ、オペラ作品化にあたり、物語は三夜に再構成され、1幕3場で上演されます。
川端康成「眠れる美女」
『眠れる美女』は、川端康成の全5章からなる中編小説で、1960年から61年にかけて雑誌『新潮』に連載され、連載終了後の1961年11月に新潮社より単行本として刊行されました。川端の後期を代表する作品で、デカダンス文学の名作と称され、第16回(1962年)毎日出版文化賞を受賞しました。
本作は、海外における評価も高く、1969年のエドワード・サイデンステッカーの英訳版(英題:“House of the Sleeping Beauties”)をはじめ、世界各国で翻訳されています。また、これまでに日本で2度、海外で3度(フランス、ドイツ、オーストラリア)映画化されました。
初演から出演するダンサー伊藤郁女が出演。俳優の長塚京三、原田美枝子がオペラ初出演!
初演したパトリック・ダヴァン(指揮)、オマール・エイブライム(バリトン)、伊藤郁女(ダンサー)が今回の公演にも出演します。この3名は作品の構想段階から出演者として名前が挙がっており、ギー・カシアス、クリス・デフォートらと共に舞台を創りあげました。
初演ではバーバラ・ハンニガンが務めた「女」役には、ベルギーの若手ソプラノ、カトリン・バルツが出演します。
また、今回日本語で上演する俳優のパートに、長塚京三、原田美枝子をキャスティング。2人がオペラに出演するのはこれが初めてとなります。
また、女声コーラスによる「眠れる美女たち」は昨年オーディションにより選ばれた若手歌手が、管弦楽には東京藝術大学の2~4年生により構成される「東京藝大シンフォニエッタ」が出演し、若手音楽家の育成や上野地区との連携も図ります。
ベルリン国立歌劇場&ミラノ・スカラ座「ニーベルングの指環」の演出チームによるプロダクション
演出のギー・カシアスが選んだスタッフは様々な分野の第一線で活躍するアーティストです。シディ・ラルビ・シェルカウイ(振付)、エンリコ・バニョーリ(美術・照明)、アリエン・クレルコ(美術・映像)、ティム・ファン・シュテーンベルゲン(衣裳)が担当。このチームは、ギー・カシアスが2010年に幕を開けたベルリン国立歌劇場とミラノ・スカラ座の共同制作による「ニーベルングの指環」を演出した際も起用されました。
国内外の様々な力が集結したプロダクションにどうぞご期待ください。

メッセージ
2016年は日本とベルギーの友好150周年を祝う年です。クリス・デフォート、ギー・カシアスというベルギーのトップレベルのオペラ制作者2氏と、日本のノーベル文学賞作家 、川端康成の作品との出会いは、まさに両国の祝年に相応しい出来事といえます。この特別な作品の日本公演を企画した東京文化会館にベルギー大使館としても大変感謝しております。150周年の代表的事業であるオペラ「眠れる美女」はまた、記念年の閉幕を飾るすばらしい催しとなるに違いありません。
ギュンテル・スレーワーゲン(駐日ベルギー大使)


西洋から見た東洋、男から見た女、死から見た生命…ベルギーで制作されたオペラ『眠れる美女』は、川端文学が到達したデカダンな官能世界を重層的なスタイルで構成した話題作だ。
舞台に登場するのは歌手と役者とダンサー。ベルギーでの初演スタッフとダンサーの伊藤郁女とともに、日本上演では長塚京三と原田美枝子が登場する。
オペラの限界に挑戦するスリリングなプロダクションが幕を開ける。
小田島久恵(音楽・舞踊ライター)


「官能」とは何だろうか? 既に殆んどの日本人にとって、それどころではなくなってしまったそれを、五十年前の川端康成が小説にし、七年前にベルギー人が現代オペラにした。完璧な音楽、完璧な演出、完璧な原作。その禍々しく、異様な融合。それが日本に凱旋する。果たしてそこに、完璧な観客を得た、完璧に官能的な公演は現れるのだろうか?
菊地成孔(音楽家/文筆家)


川端康成は生涯、初恋の女性・初代を追い求めた。
出世作「伊豆の踊り子」や初期作品や「眠れる美女」は、彼の少女への憧れから生まれたものであり、彼は初代に似た人に失恋して死んだとも言われる。
三島由紀夫の代筆説もあるほど、本作の退廃性は魅惑的だ。
日本はもちろん、海外でも三回、映画化されている。
想い続けた女の幻の様々な変奏だと思えば、このオペラもより深く理解できるだろう。
長塚京三さん、原田美枝子さんの出演も楽しみである。
三枝成彰(作曲家)










































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